オパール 種類別の解説
一般にプレシャスオパール、若しくはノーブルオパールと呼ぶことがあり、その意味は見る角度によって虹色に揺らめく遊色効果があるものを指し、さらに、地色が黒い種類のものをブラックオパール、赤や黄色の地の種類はファイヤーオパール(メキシコオパール)と呼んでいます。
ホワイトオパール(オーストラリアオパール)
白地に遊色が浮き上がる種類のもので、通称、ホワイトオパール、またはオーストラリアオパールと呼ばれていて、中には向こう側が透けて見えるくらいに透明になったものがあり、それらはクリスタルオパールと呼ばれることもあります。
また、よく使われるプレシャスオパールという呼称は、遊色の出ている種類のオパールの総称でもあり、それに対して、遊色の出ていない種類のオパールは”コモンパール”と呼ばれています。
ブラックオパール
オーストラリアオパールの中でも、少量しか採れないもので、地が黒い(青いものも含む)種類のものをブラックオパールといい、地色が濃いほど石の価値は上がります。
また、ホワイトオパールよりも産出は少ないため、カラットあたりの価格は高価なり、日本ではどちらかというとホワイトオパールよりも、ブラックオパールの方が多く販売されているように感じますが、もともと産出が少ないにもかかわらず、多く売られているということは、それだけ日本人に好まれていると思います。
ファイアオパール(メキシコオパール)
ファイアオパールの種類は、火山岩のなかから産出するもので、炎の色とオレンジ色のなかに浮かぶ遊色は、信じられないくらい美しいものです。
通常、色は黄色から赤色ですが、もっとも多いのはオレンジと赤、もっとも人気なのは赤で、ほかのオパールと違いファセットカット(カット面を作る)を施すことがあります。
ウォーターオパール
ファイアオパール(メキシコオパール)の地色が全体的に透明度が高くなるもので、水滴のような表面の美しい遊色効果が出る種類のものが最高級とされています。
ファイアオパールの産出のなかで、ごくまれに見つかるもので希少性のためか、ファイアオパールよりも人気があります。
ボルダーオパール
左右対称ではない、いびつな形をしているのが特徴です。産出したままの状態を生かすため、母岩のついたままでカット加工した種類のものをいいます。
産出したものを宝石としてカットする工程で、オパール部分の厚みを確保できないものなどは、母岩を含めてカットする方法がとられますが、ボルダーオパールは決して特殊なオパールではなく、母岩から離してカット研磨を施せば、普通のプレシャスオパールになります。
また、石全体の色が淡いものはホワイトオパールの層を、色が濃いものはブラックオパールの層をもっていて、母岩を含むため耐久性があり指輪にも適します。
コモンオパール
遊色がなく、半透明もしくは不透明な種類のものをいいます。ニッケルを含有しますので美しい緑色をしていて、一般的には表面に曇りがありますのでクリソプレーズ(カルセドニー種)と混同されることがあります。
オパール・キャッツアイ
オパールには、シャトヤンシーと呼ばれるキャッツアイ効果が見られることがあり、これは、石内部を平行に走る繊維質に光が反射して生じるもので、キャッツアイ効果のあるオパールの種類はめずらしく貴重です。
エチオピア・オパール
21世紀に入って鉱床が発見されて流通するようになった新しいオパールの種類でであり、ほかのオパールに比較して班は大きめで白色系でありながら透明感があり、オパールの一翼を担いつつあります。
オパールの産地
19世紀末まではチェコスロバキアが主産地でしたが、現在はオーストラリアが最大です。
ほかには、ブラジル、エチオピア、ホンジュラス、インドネシア、日本、メキシコ、ペルー、ロシア、アメリカ(ネバダ州とアイダホ州)
ブラックオパールの産地
オーストラリア
※日本でも各地で少量の産出があり、その中でも福島県からは高品質なオパールが産出しますが、その土地が個人の所有であることと産出量が少ないことから流通はありません。
オパールの加工手法
〔ダブレット〕
オパールの部分は下側の半分だけで、上側は水晶かガラスを張り付けたものです。
〔トリプレット〕
1ミリほどに薄くスライスしたオパールを上下から挟んで張り合わせ、その下に黒いガラスかプラスティック、上には水晶かガラスを被せるという手法です。
※ダブレットもトリプレットもレンズ効果により、遊色が浮き上がって見えますから、よっぽど詳しく見ない限り、全体がひとつのオパールに見えます。
オパールの価格
オパールは遊色効果がすべてであり、色が美しく均等に出ているものほど高価です。遊色効果が均等に出ているかを評価するには、オパールを360度回転させて、正面や斜めから遊色のバランスを見ます。
良質の石は、表面全体に遊色効果が広がっていて、色のなかでもっとも高価な遊色は赤で、次にオレンジで、黄、緑、青の順に評価は下がっていきます。
〔デザインの組み合わせ〕
オパールとダイヤモンドは正反対の印象を受けますが、その組み合わせは最強で、小さなメレダイヤは光り輝き、オパールの見せる繊細な遊色効果を引き立てます。