ジュエリー業界の未来予測
現在のジュエリーはヨーロッパの王侯貴族を中心に、数百年かけてデザインや形式を積み重ねながら基本的なものを形作っていきました。
そして、量産化が加速してきた20世紀の始まりからは、装飾ジュエリー業界も工業化が進んで大量に市場に出回るようになり、人々の要求はさらに留まることなく21世紀の現代まで続いています。
さらに、アクセサリーというカテゴリーは、20世紀初頭のココシャネルに代表される優れたデザイナーたちによって市場を開拓することに成功し、現在では、技術の進歩も目覚ましく、歴史が積み重ねてきたジュエリーをいとも簡単に見事なアクセサリーにすることができるようになりました。
また、最近では本物のダイヤモンドと見分けがつかないくらい精巧なフェイクダイヤモンドまで登場しています。
いままで手の届かなかった装飾ジュエリーを安価に手に入れる事ができたり、フェイク宝石でも本物と見分けがつかないくらい輝きがあって精巧にできていてしかも安価なのは、工業化による技術の進歩の賜物ですのでありがたいことです。
ただし、どんなに満足感はあっても時が経つと必ず飽きてくるのも人間の感情ですね。
技術の進歩は長ければ長いほど果てしなく続くように思いますが、世の中のあらゆるものがそうであるように、行きつくところまでいけばまた元に戻るジェネレーションが起こるのも過去の歴史が物語っています。
その一例として、華やかなりし頃の優れた装飾ジュエリー職人が作り出した名品は、いつの時代も色あせることなく、さらに評価は高まる一方です。
そこには、工業化された美しい輝きを放つ量産されたジュエリーでは醸し出すことができない”何か”があるからだと思うんです。
それは、現在では少数派の目の肥えた人たちが持っている感性かもしれませんが、ジュエリーやアクセサリーが身の回りに溢れれば溢れるほど、”何か”を感じ取れる方は着実に多くなってくると思います。
そして、その感性を持たれる方が、時を経ていずれ主流派になっていくのではないかと思えるのです、ですが、装飾ジュエリー業界の奥が深ければ深いほどターニングポイントは先になると思いますが。