宝石物語 日常のストーリー


無灯火の自動車が猛スピードで


ピカピカで黒塗りの大型の自動車が無灯火で、制限速度など無視しているようなもの凄いスピードで疾走しています。


宝石物語

運転している男は、何かに追われているようで、鋭い眼差しでとても怖い顔をしていて、指には大きなダイヤをあしらった高価な指輪をしています。


そこは、見通しの良い直線の道路であり、ほかに自動車が見当たらないのでとてもスピードがでていますが、男は不機嫌そうに更にアクセルを踏み込みました。


そこに、ポツンと信号のない横断歩道が見えてきます。


よく見ると黒っぽい服を着た女性が横断歩道を渡ろうとしているではありませんか。


男は女性にはまったく気づいていないようで、速度を緩めずに向かっていき、そのまま走っていくと、ちょうど女性にぶつかるタイミングになってしまいます。


女性もまだ自動車には気づいていないようで、ゆっくりと横断歩道を歩き始めました。


そして、女性が横断歩道の中程に差し掛かるそのときに男がやっと気づいて、とっさに急ブレーキをかけると激しいタイヤの軋み音を発しながら自動車は辛うじて女性の直前で止まることができました。


女性はその音に気づいたようで、ちらっと男の自動車を横目で見ながらも歩き続けます。


そして、女性は少し微笑んだように見えました、穏やかな明るい日差しの中で・・。

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