宝石物語 日常のストーリー


みんなは私のことをおかしいって言うんです

 

小池恵美さんは有名な精神分析医の先生がいるところで名医と評判の病院へバスで向かっています。

 

宝石物語

途中の繁華街を通るとき、バスから外を眺めていると有名宝石店のガラス越しに輝くピンクサファイアの指輪が目に留まりました。

 

それは、離れていてもそれと分かるほど色合いが素晴らしく取り巻きダイヤも輝きを放っています。

 

そして、バスを降りて数分歩いて病院に到着すると、そこには、すでにたくさんの人たちが待っていて、恵美さんは受付に初診ということを伝えて、問診表を受け取って記入をしながら順番を待ちます。

 

見渡しただけでも10人以上いるので、これは時間がかかると思って備え付けの雑誌を数冊とりながら椅子に座りました。

 

それから1時間以上経った頃にようやく、

 

「小池恵美さん、どうぞお入りください」

 

と、やっと順番が来たので診察室に入っていくと、先生は問診表をチェックしながら恵美さんのほうに向かって、

 

「はい、それでは、どのような事でしょうか」

 

「それが先生、周りのみんなは私のことをおかしいって言うんです、なぜでしょうか」

 

「それでは、最初から話してみてください」

 

「ええ、最初からですね。

 

最初、私は石田ゆり子と呼ばれていて、テレビにも出てとても人気がありました。

 

それで、歌が好きだったので歌を歌い始めると、今度は安室奈美恵と呼ばれるようになっていって・・・」

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