宝石物語 日常のストーリー


必ず願いの叶う神様


ある山間の秘境に、必ず願いを叶えてくださるという神様がいます。


その場所は単線電車の駅から1時間ほど歩いたところにあって、今日も一組の夫婦が到着しました。


長い階段を上っていくと小さな神社のような建物があり、夫婦は鳥がさえずる掃除の行き届いた庭を歩きながら建物に入っていきます。


夫は50歳くらいで相応の年齢で、妻は小奇麗で穏やかな雰囲気です。


最初に、妻が神様の部屋に呼ばれました。


「私はとても幸せな人生を送っております、このまま家族が穏やかに過ごせることを望んでいます」


「そうか、それでは、願いを言いなさい」


「はい、さらにお聞き入れくださるならば、ダイヤモンドのネックレスがほしいのです」


「わかった」


と言って神様はひざまずく妻の頭に手を載せて目を閉じます。


宝石物語

そして、その手を離した瞬間に首にはダイヤモンドのネックレスがありました。


妻は神様に感謝して部屋を出て行き、それを扉の隙間から見ていた夫は驚きます。


間もなく夫が呼ばれました。


「あなたは何を願いますか」


「はい、現在まで幸せな家族に囲まれて満足しております」


「そうですか、では願いを話しなさい」


「はい、妻を私より30歳くらい若くしてほしいのです」


「わかった」


と言って、神様はひざまずく夫の頭に手を載せて目を閉じます。


そして、その手を離した瞬間に夫は80歳くらいの老人になりました。

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