宝石物語 日常のストーリー


凄腕の医師


腕がいいと評判の精神科医が講演に招かれました。


宝石物語

その精神科医は腕にさりげなくブレスレットをしています。


「それでは、ほんじつのメインゲストでいらっしゃる精神科医の小池医師にお話を伺いましょう」


舞台の中央に小池医師が歩いて行って、


「小池と申します」


と、頭を下げて挨拶をしていると、女性司会者が、


「先生は、素敵なブレスレットをしていらっしゃいますね」


「これですか、実は妻からの贈り物で、今日はどうしてもしていきなさいと言われたものですから」


「そうですか、奥様とは仲がよろしいのですね、先生、早速ですが、先生は簡単な質問で正常な方との見極めができると著書にも書かれていますね、それはどのような質問なのでしょうか」


「はい、最初は誰にでも分かる質問をするのです、躊躇したり考えてしまったら、それが手掛かりになりますから」


「なるほど、それはどんな質問ですか」


「例えば、マゼラン海峡で有名なフェルディナンド・マゼランは生涯で世界一周を3度行っていて、そのどれかのときに彼は亡くなっています、それは何回目のときでしょうか?」


と、女性司会者は少しの沈黙の後に、


「別の例をあげてくださいますか?私は歴史に詳しくないものですから」

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