新説 童話 赤ずきんちゃん
赤ずきんちゃんは、おばあちゃんの家の前まで来ました。
そして、扉を開けて中に入ると、おばあちゃんはベッドで横になっています。
「よく来たね」
「おばあちゃん!ベッドで寝ているなんて、お体は大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、ちょっとめまいがするもんだから、寝ているだけだよ」
「そう、それならいいんだけど、今日はお使いに来たの」
「分かってるよ」
「はい、ママから預かったネックレス、おばあちゃんのお誕生日のプレゼントだって」
「ありがとう、すごく素敵だね」
「ねえ、聞きたいことがあるの」
「なんだい?」
「どうして、おばあちゃんのお目めはそんなに大きいの?」
「お前が良く見えるようにだよ」
「どうして、おばあちゃんのお耳はそんなに大きいの?」
「おまえの声が良く聞こえるようにだよ」
「おばあちゃんのお鼻は、どうしてそんなに前に出ているの?」
「可愛いお前の匂いが分かるようにだよ」
「ねえ、どうしておばあちゃんのお顔はそんなに毛が多いの?」
「これは、おばあちゃんのお化粧なんだよ」
「ねえ、どうして、おばあちゃんのお口はそんなに大きいの?」
「赤ずきん!いい加減にしなさい!お前はお使いに来たのかい?それともおばあちゃんの欠点をからかいに来たのかい?」