ねぇ、あなたはどっちを選ぶの?
早紀は昼間、プレゼントされたピアスのことなどを友だちに自慢していると、早紀はその友達から、困っていたときに彼氏が助けてくれたという美談を聞かされてしまいます。
早速、うちの旦那にも確かめてみようと晩御飯が終わった頃に例え話を始めます。
「ねぇ、例えばね、私とあなたが山登りのハイキングに行っていて、どんどん山奥に入ってしまって道に迷ってしまったとするわね」
「うん」
「ふたりは、行けども行けども民家とかはなくて、次の朝になっても回りの景色は山ばかりで、連絡方法がぜんぜんみつからないの」
「それで」
「それでね、私はくたくたで歩けなくなってきたので、あなたが私を担いで歩き始めるの」
「僕がね」
「そう、それでしばらくすると、木の陰に1億円分の金の延べ棒があったの」
「すごい話だね、それから」
「それからね、あなたは私を担いでいくか、金の延べ棒を担いでいくかを選ばなくてはいけなくなったわけ」
「ふーん、そうかぁ」
「そうしたら、あなたはどっちを選ぶ?どちらかを選ばなくてはならないのよ」
「そりゃあ、金の延棒だろ」
「あらっ、ひどいわー、迷わないですぐに答えるのね、私よりお金ってことね」
「だって、俺が金の延べ棒を担いで歩き出したら、きっと君は必死になって、何が何でも俺についてくるだろ?」