三つの願い
恵美が夫を送り出してから、家事を済ませて一段落したのでソファに座ってテレビのスイッチを入れようとしたときに、背後に何か気配を感じたのでふっと振り返ると老人が立っていました。
恵美はびっくりしすぎて声も出ずに老人を見ていると、
「安心してください、私は怪しいものではありません、私はあなた方ご夫婦の願い事を叶えるために来たのです、何なりとお話しください」
と、神様はにこやかな表情で話すと恵美はようやく落ち着きを取り戻しながら、
「願い事ですか?」
「そうです、ただし、ご主人はあなたの願い事の2倍になって叶います」
「主人は2倍なんですね、何でも?」
「そのとおりです」
「じゃあ、私をすごい美しくて魅力的な女性にしてください」
「分かりました、ということはご主人はすごいすごい魅力的なイケメンになって女性から大人気になりますけどいいですか?」
「いいです、覚悟します」
「分かりました、願いは三つまで叶えることができます、ほかにありますか?」
「それでは、宝石をたくさんください」
「分かりました、それではご主人は宝石をとてもたくさん手に入れますけどいいですか?」
「はい、いいです、覚悟いたします」
「それでは最後の願いは何でしょうか」
「はい、私が横断歩道を歩いているときに、猛スピードの車が私のほうに向かって走ってきて、急ブレーキをかけて私の目の前で止まるようにしてください」