無人島でイケメンと私だけで
「昨日ねぇ、夢を見たのよ、はぁ・・」
「はぁ・・ってどうしたの、ため息なんかついて」
「それがイケメンの拓也と私だけで無人島にいたの」
「あらぁ、拓也とふたりだけで無人島にいたの?いい夢じゃない、それが、何でため息なんかついているのよ」
「それが、最初は大きな船に乗っていたんだけど、その船が遭難しちゃって、沢山のひとが救命用のボートで移動してたんだけど、嵐とかでみんないなくなっちゃって最後には私と拓也だけになったの」
「なんか映画みたいじゃないの、それで?」
「ふたりだけだし、拓也はワイルドで頼りがいがあってペンダントネックレスがとても似合っててカッコよかったわぁ」
「それから?」
「それから、2日くらいしたときに、ようやく島が見えてきて、そこにたどり着くことができたのよ」
「ますますドラマティックね、それから?」
「それから、島に誰かいないか探したんだけど無人島だったの」
「それで?それで?」
「それで、食べ物とかを探してみたんだけど何もないのよ」
「海なんだから魚がいるじゃない、周りにいっぱい」
「そうなんだけど、拓也は釣りとかしたことがなくて、ぜんぜん魚を取ることができなかったの」
「ますます映画のワンシーンね、それでふたりで寄り添って励まし合ったとか?」
「そんなんじゃないのよ、私はこれはまずいと思って逃げまわったわ」
「えっ、何であなたが逃げまわらなくちゃならなかったの?」
「だって、私はニワトリだったの、残念なことに・・」