プラチナの価値 ジュエリー向きの特性


プラチナの価値 歴史や産地に特性のお話

 

プラチナ

プラチナ(白金)の語源は、スペイン語でシルバーのplataから変化してplatinaと呼ばれ始め、英語ではplatinum(プラティナム)です。

 

プラチナの歴史は記録が残っているものとしては、約2700年前から価値が認められていて、古代エジプト遺跡からプラチナで作られた宝石箱が出土し、そのほかでは、約1000年前のインカ帝国成立以前のインカ文明でもプラチナの価値を認めていて、宝飾品として使用されていたことが分かっていますが、金やシルバーのように昔から世界中で広く使われていた形跡はありませんでした。

 

そのプラチナは、1700年代に入ってからイギリスの王室学会によって、プラチナ特有の貴金属としての価値が明らかにされてから本格的な普及が始まることになりますが、プラチナが、これほど遅れて使われ始めた理由のひとつは融点(溶け始める温度)です。

 

ゴールドやシルバーより高い温度でないと溶け始めることがないなど、現代の技術を持っていない昔の人々にとってはたいへん扱いにくい金属だったのです。

 

ゴールドやシルバーでは約1000℃の融点に対して、プラチナの融点は実に1700℃の高温が必要であったり、埋蔵されている環境での選別作業が難しかったりしました。

 

そのほかの金属としての特徴は、ゴールドやシルバーより比重(同じ体積でのおもさ)が重かったり、金属としての粘着性(粘り)が高かったりしますので、装飾するための金属としての価値がジュエリーを装飾するうえで有利になるともいえます。

 

そして、金属としての純度も高いので、さらにジュエリーとしての価値は最もアレルギー反応に対して穏やかであるともいわれていることです(一般にアレルギー反応を起こしやすいニッケル合金を含みません)。

 

ジュエリー素材としてのプラチナの割合は90%(Pt900の刻印)で、残りの10%がそのほかの合金であり、チェーンは柔軟性などを考慮して85%(Pt850)が一般的です。

 

また、宝石業界ではプラチナの割合は85%(Pt850刻印)までがジュエリー素材として認められていて、それ以外は使用しないように暗黙のルールのようなものが存在しています。

 

さらに、耐久性や耐食性(腐食しにくい)が高く金属としての粘りもありますので複雑な作りや高度な装飾が可能なため、宝石職人さんも好んで使っている、まさにジュエリー向きの素材です。

 

※プラチナと同じ金属の仲間としては、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ロジウム、ルテニウムがあります。

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