多彩なトルマリン 色の種類 ブラジルパライバ


トルマリン 色の種類 パライバ

 

パライバ 色の種類

今や、ジュエリーのデザインには欠かせない宝石となったトルマリン。

 

幅広い使われ方とその魅力の秘密は多彩な種類の色合いにあって、パライバ、パステル、蛍光色、バイカラー、そして、単色ではさまざまな色合いの種類が存在しますので、ジュエリーデザイナーにとっては、多彩な種類の色を活かしたデザインができて身に付ける方にとってはうれしい宝石です。

 

歴史上、色の種類の多さのためにグリーン系のトルマリンは16世紀の初めにはエメラルドと混同されてヨーロッパに輸入されていて、当時は鉱物学が発達していなかったため、緑色はエメラルド、赤いのはルビーとして扱われたようで、そのため、あまり文献などには出てこないのですが、トルマリン自体は紀元前から使われていました。

 

トルマリンは日本名で「電気石」というように、熱を加えたりすると静電気を帯びる性質があります。

 

ただし、鉱物として見てみると宝石に使われるのトルマリンはリチア電気石で、枕やいろいろな用途に使われているトルマリンは鉄電気石なので、同じトルマリンでも宝石とそのほかに使われるトルマリンは別物として扱わなければなりません。

 

パライバトルマリン

パライバ 色の種類

ブラジルのパライバ州にあるホセ・ダ・バターニャ鉱山で1980年代に初めて産出されたパライバトルマリンは、ほかのトルマリンとはまるで違うものでした。
これはトルマリンにおける20世紀最大の発見であって、濃く鮮やかな青や青緑で蛍光性のある石は、産地の由来から「パライバ・トルマリン」として知られるようになります。

パライバトルマリンのブルーは、サファイアの青でもなければ、インディゴライトの青でもない、パライバのブルーはパライバだけのもので、ほかに代われる宝石はありません。

「空の青とも海の青とも言えない色」などと、これまでに、その色を多くのひとが表現してきましたが、どれもパライバの色を言い表わすことはできていないのです。

むしろ、これらの表現をしていたひとたちは「うまく言い表わせないことを言い表わそうとした」のではないかと思うくらいで、パライバの色はそれほどまでに独特の色をしています。

バイカラー

パライバ 色の種類
トルマリンには、2色や3色、あるいはそれ以上の色を内包する石があって、もっともよく知られているのは、ウオータメロンで、その結晶はピンクや緑なので「スイカ」のように見えます。

そして、バイカラーは色の組み合わせが豊富で、コントラストの強いものから、微妙な色彩効果を作るものまでたくさんあり、カットする場合は、コンビネーションのバイカラーが活きるように工夫してカットします。

よく見られるのはエメラルドカットやバゲットカットで、バイカラー面をきれいに見せるカット手法で、そして、色のコントラストが明確で、インクルージョンの少ない石は価格が高くなります。

ルベライト

ルベライト 色の種類

トルマリンのなかでも美しいとされ、価値の高い石です。

 

「ルベライト」という名称は、ルビーのような赤を意味していて、理想とされるのは、鮮やかなピンクから赤に至る色で、バイオレットのトーンを帯びていて、そのほかの色の濁りのないものです。

 

良質なルベライトは、タンザニアとナイジェリアの産地で、グレードの低い石は、多くが放射線処理で濃い色に変えられます。

 

インディゴライト

インディゴライト 色の種類

サファイアのような青からトルコ石のような明るい青緑まで、あらゆるトーンの青を内在するトルマリンで、青いトルマリンの多くは色が暗く、黒っぽいので多くが熱処理で明るい色に変えられます。

 

ベルデライト(グリーントルマリン)

ベルデライト 色の種類

深い緑色か、黄みのある緑色で、もっとも人気が高く、貴重とされているのは、エメラルドグリーンや明るいリーフグリーンにクロムグリーンです。

 

これらの色は、小さいものやインクルージョンがあるもの、あるいは色合いが若干暗過ぎるか、明るすぎるものはありますが、5カラット以上の澄んだグリーントルマリンはなかなか市場でもないものです。

 

イエロートルマリン

トルマリン 色の種類

鮮やかなイエロートルマリンは産出量が多くなく、なかなか手に入りにくく、黄色い結晶は、表面が薄いグリーンで覆われていることが多く、理想的なシトラスイエローはなかなかないのです。

 

ドラバイト

ドラバイト 色の種類

黄みを帯びた茶色からオレンジを帯びた茶色に至るトルマリンで、二色性があり、見る角度によって異なるふたつの色が現れ、また、熱処理で明るくされることがあります。

 

ショール(ブラックトルマリン)

ショール 色の種類

ブラックトルマリンは、ビーズの素材として使われるもので、そのほかのジュエリーにはほとんど利用されていなく、ブラックトルマリンはジェットよりも硬く、耐久性が高いので、ビクトリア時代のイギリスでは、モーニングジュエリーとして広く利用されました。

 

市場価値

もっとも高価なものは、パライバ、ルベライト、インディゴライトにクロムグリーンです。とくにパライバは、資源が減り需要が高いため、一番価値が高い石です。

 

個別の石の価値は、色のグレードや透明度が基準です。大粒で透明度が高いブルーグリーンのインディゴライトには高値がつきますが、暗いネイビーブルーでは価格が下がり、ルベライトも、赤が薄かったり、濃すぎても値が下がり、ドラバイトはトルマリンとしては比較的に安価です。

 

産地

ナミビア、ナイジェリア、タンザニア、ザンビア、ブラジル、ミャンマー、パキスタン、ロシア、アメリカ(カリフォルニア州)

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