疑惑の眼差し
智子は仕事が早めに終ったのでデパートのブランドメーカーのお店を見て回っています。
智子はデパートのこういう雰囲気が大好きなので、最近人気の新しいブランド、誰もが知っている一流宝石ブランドのお店を見て周るだけでも目が輝いています。
一通りのお店を見て回った後に上の階へ行って、今度は物産展に向かいました。
そこでは人気の北海道フェアを開催していて、ちょうど海の幸の詰め合わせのタイムセールでたくさんのひとが買っていたので思わず智子も購入します。
それから、エスカレーターでそれぞれの階をチェックしながら駅に向かおうとしたときに、
「あら、直子じゃない、偶然ね、こんなところで」
「うん、そうねー、仕事帰り?」
「そうなの、ここの上のデパートでウイシよ」
「ウイシって?」
「ウインドーショピングよ」
「そうかぁ、実は私もなの、何を見てたの?」
「やっぱり、ブランドメーカーのお店のジュエリーって、品質がいいわねー、輝きが違うもの、私が持ってるのと違って」
「そりゃあ、値段も違うでしょうから、しかたないわよ」
「ところで、さっきデパートの2階にあるブランドジュエリーのお店の店員ったらひどいのよー」
「どうしたの?」
「お店の中をいろいろと見て周っていたら、私が指輪を盗んだような目でジーッと見てたのよ」
「あら、ひどいわねえ、それであなたはどうしたの?」
「うん、指輪代を払ったような気持ちで、にらみ返してやったわ・・」