宝石物語 日常のストーリー


罪と罰


妻は夫が自分の誕生日を忘れていたので怒っています。


「ひどいわー、忘れるなんて」


「だから、ごめんって言ってるだろう」


宝石物語

「許せないわ、去年はネックレスくれたのに、今年はプレゼントも何もないじゃないの!」


「もう、どうしたら許してくれるの?」


「じゃあ、私の言うことをしてくれたら許す!」


「いいよ、わかったよ、何でもやるよー」


「じゃぁ、まずこの瓶に入ってるのを全部飲み干してよ、それから、近所の田中さんのところにいる犬のドーベルマンと握手してきて、そして、最後に帰ってきたら私にキスすること、わかった?」


「えーッ、お酒ーっ、こんなに飲んだことないよー」


実は、夫はお酒がまったく飲めないのです。


「罰だから、やって」


「しかたないなぁ、まいったなぁー」


夫はしぶしぶ妻の機嫌を取るために半分以上は残っているお酒の瓶を飲み始めて、時間をかけながら何とか飲み干すことができました。


すでに足元をふらふらさせながら、近所のドーベルマンのところに行くために玄関へ向かいます。


夫の意識はもうろうとしてきて靴を履くのもやっという感じで、自分が何をしているのかも、はっきりしなくなってきました。


そして、しばらくして夫は帰ってきたのですが、顔には歯形のような跡があり血が噴き出しています。


そして、夫はろれつが回らない口調で、


「さぁ〜、最後は〜君と〜握手だったね〜」

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