宝石物語 日常のストーリー


メールでの伝え方


両親と暮らしている裕子は、大手商社に勤めていて来月から海外に赴任することになり、しばらく家を空けることになるので渡航する前の晩は家族で送迎会のような夕食になりました。


宝石物語

その晩は、裕子は母親の誕生日が近いのでネックレスのプレゼントを用意していて、


「これ、ちょっと早いけど、おかあさんに誕生日プレゼント」


「ありがとう」


と、おかあさんはさっそく開けてみます。


「まぁ、素敵なネックレスねえ、うれしい」


「喜んでもらえてよかった、結構いろいろ見てたいへんだったんだから」


「ステキだね、大切にするよ」


と、おかあさんが嬉しそうにしていると、裕子は、


「おとうさんもおかあさんも元気でね、私もがんばってくるから」


「気をつけるんだよ、みんな裕子を信じているよ、体に十分気をつけてな」


と、おとうさん。


それから、裕子が海外に赴任して半年くらいしたときに母親から、


”飼っていた犬が死んでしまった”


とメールが届きます。


そのメールを見た裕子はショックを受けて、


「犬だって家族なんだからもう少し優しい伝え方をしてほしい。


例えば、”最初はお手をしたりして元気だったけれど数日元気がないと思ったら・・・”とか言い方があるじゃない、あんなメールじゃ悲しすぎるでしょ、もうちょっと考えてほしい」


とメールします。


「わかったわよ、気をつけるから」


と母親から返事がきました。


それからしばらくしてから、また、裕子に母親からメールが届きます。


”おとうさんが、最初はお手をしたりして元気だったけれど数日元気がないと思ったら・・・”

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