ダイヤモンド宝石の原石誕生とカットの確立

宝石としてのダイヤモンド 原石とカット技術の誕生

 

ダイヤモンド 宝石 カット

宝石として扱われるダイヤモンドは、地球内部の地殻の運動によって地下の奥く深くのマントルの中で、およそ6万気圧や2000度にも達する高温など、さまざまな条件が揃ったときに始めて結晶するといわれていて、さらに数億年におよぶ地球の活動によってダイヤモンド原石が地表まで現れるようになります。

 

そのダイヤモンド原石を含んだ岩石は「キンバーライト」と呼ばれ、長い年月にわたって雨や風によってキンバーライトの地表は侵食されていって、その結果、宝石としてのダイヤモンド原石を含んだ砂や小石(砂利)が、川や海に流れ出し、川床や海岸にダイヤモンドが採れる層を作り出すことになるのです。

 

人類が最初に発見した宝石としてのダイヤモンド原石は

人類が最初に発見したのは紀元前7〜8世紀頃のインドであり、インドの鉱山は川床の砂や小石で、そのなかから拾い集められていました。

 

そのダイヤモンドの発見は、世の中の物質の中で一番輝かしく光るだけでなく、一番耐久性があるため、魅惑的な石だと珍重されていましたが、カット技術が未熟なために原石のままでは決して美しい宝石とはいえず、カット技術が確立するまでは真珠などほかの宝石の方が価値としては高かった時代もあったのです。

 

そのような状況の下では、現在では宝石の王者であるダイヤモンドも常に重宝されていたわけではなく、古代ローマでは宝飾品として用いることはほとんどなく、当時ダイヤモンドを利用していたのは彫刻師だけでした。

 

彼らはダイヤモンド(原石に近いものと推定されます)を鉄の土台に据えて、カメオを彫る道具として利用していたもので、この方法は紀元前2世紀から行われていて、同じ頃の中国でもダイヤモンドを先端に付けた彫刻用のノミがあったという記録が残されています。

 

貿易としての始まり

インドのダイヤモンド貿易は、主にユダヤ人を中心にして西洋に伝えられたとされていて、歴史的に居住地が不安定なユダヤ人にとって、宝石は小さく持ち運びに便利で交換価値の高いものであり、確実に自分たちの利益に結びつくものでしたから、交易には最適の品でもあったのです。

 

また、多くの迫害を受けた彼らにとって、宝石は簡単に運び出せる数少ない資産でもあったため、ユダヤ人の宝石に対する執着はとても大きかったものと思われます。

 

なお、ダイヤモンドの語源は、ラテン語の「adamas」からきており、「壊せない、無敵の、きわめて硬い、断固とした」などの意味があります。
また、日本へのダイヤモンドのデビューは、中国からの伝来で、ダイヤモンドの日本名「金剛石」は、経典の中の「金剛」が語源とされています。

 

カット技術の向上

15〜17世紀に入るとそれまでより多くのダイヤモンドを貿易で扱うようになったため、ダイヤモンドへの関心も高くなっていって、さらに、ダイヤモンドの研磨職人の登場によって輝きを追求するようになったため、貴族社会でもダイヤモンドは重宝されるようになっていきます。

 

カットも輝きの出る、面の多いローズ・カットが主流になっていき、さらに輝きを求めて名もなき研磨職人たちが技術を磨き合いながら、ブリリアントカットの始まりにつながるカット技術を模索していくようになります。

 

そのローズ・カットは、初期の段階では原石の形に合わせて研磨されていましたが、次第に研磨面が多い複雑なカットへと変わっていったのです。

 

ローズカットという名称は、ダイヤをカットをする上で、平らな底面を持ち、中央に向かってカット面を作りながら高さをつけていくもので、その形がバラのつぼみに似ていることから、ローズカットと名前がつくようになりました。

 

そして、研磨職人たちによってダイヤモンドをより輝かすことが考えられ、試行錯誤の結果、最初のブリリアント・カットと言われる研磨面が少ないとてもシンプルなマザラン・カットが登場して、そこから現在のブリリアント・カットへの改良が重ねられていったのです。

 

ブリリアントカットの登場

17世紀末になり、研磨職人たちの地道な努力の成果として、現代のブリリアント・カットにつながる現在のブリリアントカットと同じ58の研磨面を持つカット、オールド・マイン・カットが生み出されて、それが現在のブリリアント・カットの原型とも言われますが、この時はまだ正方形に近い外形を持っていました。

 

その後、オールド・マイン・カットから発展し外形が円の形をしたオールド・ヨーロピアン・カットが登場することになり、研磨面は58と変わりはありませんが、研磨面の形が変化していき、さらに現在の丸型のラウンド・ブリリアント・カットに近くなっていきました。

 

このようなカット技術の向上により、あの独特の輝きを手に入れることができて初めて、宝石ジュエリーの王様として君臨することができたのです。

 

但し、現在でも採掘された全体の1割程度のみが宝飾用で、透明度のないものなど、残りの9割は工業用に使われていてますが、工業用でも特性上、とても重要な役割を担っています。

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