ショーメ ナポレオン皇帝の王冠

ショーメ ナポレオン皇帝の宝石ジュエラー

 

ショーメ 宝石

ルーヴル美術館に飾られている、縦6.2メートル×横9.2メートルの「ナポレオンの戴冠式」というダヴイッド作の名画があり、それは、1804年にパリのノートルダム寺院で執り行われた戴冠式を描いたものです。

 

その絵は、ナポレオン皇帝が、妻のジョセフィーヌに、皇后の冠を授けようとしている、その瞬間を描いたものですが、そのナポレオンが持っている冠こそが、パリのショーメ(その当時はまだ、ショーメと名乗ってはいませんでした)に作らせたものでした。

 

創業

ショーメは、創業から100年余りしてから、現在のショーメを名乗るようになります。

 

その経緯は複雑で、1780年に、マリー・エティエンヌ・ニトがパリに店を開くところから始まって、それを息子のフランソワ・ルノー・ニトから、1815年に引き継いだのが、職人頭のジャン・バティスト・フォッサンでした。

 

また、その息子であるジュール・フォッサンは、ジャン・ヴァレンタン・モレルを支配人として任せ、後に経営を託すようになって、さらに、そのモレルの娘婿であるジョセフ・ショーメが入社して、経営を任されるようになって、店名を”ショーメ”と変更して現在に至ります。

 

ナポレオンとの出会い

当時、第一提督であったナポレオン・ボナパルトは、ある日、馬車で、ショーメの創業者であるマリー・エティエンヌ・ニトの店の前を通りかかります。

 

そのとき、急に馬が暴れだして、彼の乗った馬車は店の前で横転しますが、それを見たニトは、ナポレオンを助け起こして、店で手厚く介抱したのがきっかけになっています。

 

ナポレオンは、このときの親切を忘れずにいて、皇帝の即位のときに際して、彼は、宝剣と宝冠をニトに注文し、そして、その出来栄えに満足し、その後、ニトはナポレオンの御用達の宝石商になったのです。

 

着々と

創業者である、ニトの息子から経営を引き継いだ、ジャン・バティスト・フォッサンが店を運営しているころに、ナポレオンが没落し転機を迎えます。

 

それをフォサンは、ブルボン王家の復活から、ルイ・フィリップの時代をくぐり抜けて、時代の流れであったロマンチシズムをうまく捉えて、時代に即したジュエリーを作り続けます。

 

そのジャン・バティスト・フォッサンの息子であるジュール・フォッサンは、ユニークな創造性でデザインする宝石で人気を得ることができたので、彼は、それまでのワンパターンなデザインを捨てて、自然界をテーマにしています。

 

このとき生まれた「花」「枝」「葉」などのモチーフは、現在も根強い人気を博すロングセラーになっていて、さらに、フォサンの後継者の、ジャン・ヴァレンタン・モレルは、フランスだけではなく、イギリス王家御用達の宝石商の資格も得て、事業を拡大していきます。

 

また、1851年にビクトリア女王から、直筆のデザイン画とともに注文があり、モレルが製作したジュエリーもありました。

 

ショーメとして

ジョセフ・ショーメがモレルの娘であるマリーと結婚した年は、次の時代を創る、産業革命から生まれる新興の裕福層は、まだ登場していないという難しい時期にあたっていました。

 

それでもショーメは、オルレアン公爵家などの残った貴族や、新たに登場してくる富裕層を相手に宝石をデザインしていきながら、アメリカの超富裕層に、フランスの貴族と結婚した娘を持つアメリカのセレブや、ロシアの貴族たちに対して、きわめて正統的なジュエリー、大きなティアラ、ブローチ、ドッグネックレス(首全体を覆う幅広のネックレス)などを作り出していきます。

 

やがて、それらの宝石は、インドと中近東や東洋まで、宝石商ショーメとして知れ渡っていき、1907年には、ヴァンドーム広場にお店を移転して、息子であるジャック・ショーメとピエール・ショーメが継いでいきます。

 

現在のショーメは、多様化した女性たちのライフスタイルやファッションを意識した、日常使いのジュエリーにも力を入れていて、それらは、身に付けるひとの生活のなかで息づくような、いつまでも手放したくなくなるような、精神的にくつろげる宝石です。

 

そして、何といってもあまり奇抜さを狙わないストレートで堂々としていて、大きすぎないデザインの作品は日本人の好みと体形にフィットします。

 

その後

1987年前後に財政上の問題が生じて、93年にショーメ・アンテルナシィオナル社に改名して、さらに99年、国際的な投資会社であるLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴイトングループの所有となって営業を続けています。

 

頑なに自分たちの宝石だけを作っているフランスの宝石商のなかでは、比較的、日本市場の求めるもので売れるものを作っているので、今後も期待できるメーカーです。

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